0940-32-9250
〒811-4143 福岡県宗像市三郎丸1-1-37
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利用したい受験というシステム
さて本日は,平成23(2011)年の1学期の個別面談の資料に掲載した文章を掲載させて頂きます。
はじめに~利用したい受験というシステム。
先日,ある大学から一通の封書が届きました。
その下の方には,ある男子卒塾生の名前が書いてありました。
その中には,その卒塾生が私宛に書いてくれた手紙が入っていました。
大学の授業の一環で,恩師に手紙を書いて,返事を頂きたいということでした。
私は彼については,大変真面目な生徒であったという印象を持っています。
中2の夏期講習会から通ってくれて,いつも黙々と勉強していました。
彼は卒塾時の寄せ書きの中でも,そして今回の手紙の中でも,「入塾当初は英語と数学が苦手でした。」と言っています。
私の中には彼が英語と数学を苦手としていたという記憶は強く残ってはいなくて,ただ黙々と頑張る姿が残っていますが,本人は英語と数学に自信がない状態で入塾し,高校受験を通してそれらの苦手科目を克服したと繰り返しています。
その結果,高校では英語で苦労をすることもなく,苦手意識がなくなった数学にも興味・関心を持てるようになり,今春現役で理系の大学に進学し,「将来は何か人の役に立てる機械の考案・開発をしたい。」と結んでいました。
将来の夢や希望に心を躍らせているようです。
実にさわやかな手紙でした。
そしてこれまで頑張ってきたという自信を感じました。
もちろん彼の持って生まれた才能も素晴らしいのですが,高校受験をきっかけとして続けた努力が何より良かったと思います。
非常に尊いものであったと思います。
彼の人生における大きな財産になることでしょう。
さて,人生における,高校受験の位置づけを今一度考えてみたいと思います。
改めまして当たり前のことですが,公立の小学校から中学校には自動的に進学できるようにできているわけですね。
当たり前のことなのですが,これが当たり前になりすぎていますので,中学3年生になっていきなり「受験よ!」と言われても,なかなかピンとこない受験生がいるということも頷けます。
頭では分かることですが,長年培ってきた感覚はそう簡単に変えることが難しいですね。
また,中学1年生になって「小学校までと違って期末試験という試験があるけん,頑張らないかんとよ。」と言われても,どれくらいの期間にどの程度頑張らないといけないのかイメージしにくいということも容易に想像できます。
高校受験を終えた時に,受験生の9割以上が「受験がなかったらこんなに勉強することはなかった。」と思っていますし,「これまでの人生で最高に頑張ったし,最高の試練だった。」と感じていることでしょう。
終わってみると,「もっと早くから頑張れば良かった。」「もっと一生懸命に取り組めば良かった。」という反省の弁を残す受験生もいます。
しかし,それは終わったから,経験したから初めて分かることであろうと思われます。
実際に受験勉強中には「受験とかなかったらいいのに・・・」「早く受験が終わればいいのに・・・」「受験がない国に生まれたかった・・・」ということを思う受験生も多くいます。
ついつい受け身的にとらえられがちになるのが受験ですね。
どうしても「やらされている」感じがあるのでしょう。
しかし,私は受験を保護者のみなさまに,我が子が「成長するための良い機会」として受け止めて頂きたいと思います。
塾の講師という職業に就かなければ受験というものについてこんなに考えなかったのかも知れません。
「もしも日本に高校受験がなかったら・・・」努力の上に得られる満足感や達成感を高校受験から得ることができません。
部活動などを通しても満足感や達成感を得ることはできますが,勉学から得られるそれらは,趣が異なります。
部活動は好きな部を選べます。
好きなことをしているのですから,取り組みやすいでしょう。
好きな部がなければ取り組まないという選択肢もあります。
しかし,受験勉強は好きでも嫌いでも取り組まなければなりません。
取り組まないという選択肢が,基本的にはありません。
また,受験がない国は日本に比べますと,文明が遅れている可能性が高いです。
『もしも日本に高校受験がなかったら』という題名の映画が上映されたら,きっと面白いと思います。
是非とも見たいものです。
受験を通して,それまで長い間「自分はこの科目は苦手だから,絶対にできるはずがない」と思っている科目でも,「受験があるから取り組まざるを得なくなった」,「受験があるから仕方なくやらされた」ことがきっかけで,最終的にはできるようになったり,苦手ではなくなったりすることによって,自分に自信が持てるようになります。
試練や障害物はやってみる前にはとてつもなく大きなものに感じられますので,出来れば避けて通りたいものですが,やり切ってしまって,経験して過去のことになってしまえば,小さなものに感じられます。
問題は過去のことになった時に,どれだけ自分の身になっているのかということではないでしょうか。
高校受験には私立の専願入試や公立の推薦入試,それから一般入試などいろいろな入試の仕方がありますし,受験生には自己最高の努力を重ねて,合格できるとは思わなかった志望校に合格して何物にも代え難い自信をつけて入学するタイプもいますし,あまり自分を追い込まないそこそこの努力で『行ける範囲』の高校を探して志望校にして合格するタイプもいます。
その他いろいろなタイプの受験生がいますが,大切なことは受験が終わった時にどれだけ成長出来ているのかということです。「これまでできなかった努力ができた。」「今まで知らなかった自分の力を引き出せた。」という経験が出来るか否か。
そこまで挑戦せずに無難に受験を終わらせてしまっては,受験の意味が半減してしまいます。
このようなことを考えますと,受験生はいかにして自分の力を引き出すのかということがテーマとなり,周りの大人達はいかにして受験生に自分の力を引き出させるのかということがテーマとなります。
時には褒め,時には叱り,一緒に喜び,一緒に泣く。
もちろん,喜んで泣くわけです。
「受験校は○○高校やけん,これぐらいの勉強でいいや。」という感覚が一番怖いと思います。
そして「全然勉強してない。」と人ごとのように言える雰囲気を作ってはいけません。
受験生はもちろんそのようなことに注意しなければなりませんし,下級生も中3になっていきなり変身することはできませんので,今からきちんと取り組む気持ちと姿勢を作るべきです。
勉強自体が好きな人はそんなにいませんが,昨日までできなかったことができるようになると,人間誰しも嬉しいものですし,楽しいものでしょう。
その一つ一つの積み重ねが大きな躍進につながります。
困難なことも,後ろ向きではなく前向きに考えて取り組むことによって,良い方向に進めるようになるものです。
高校受験というシステムをうまく利用しましょう。
向上塾
〒811-4143 福岡県宗像市三郎丸1-1-37 電話番号 : 0940-32-9250 ※繋がらない場合は携帯へ090-8297-7003
このお話の最初に出てくる卒塾生は,すでに大学を卒業しています。
次に会ったときには,どんな仕事ぶりなのか聞くのが楽しみです。
きっと信頼される開発者になっていることでしょう。
18/09/17
18/09/12
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さて本日は,平成23(2011)年の1学期の個別面談の資料に掲載した文章を掲載させて頂きます。
はじめに~利用したい受験というシステム。
先日,ある大学から一通の封書が届きました。
その下の方には,ある男子卒塾生の名前が書いてありました。
その中には,その卒塾生が私宛に書いてくれた手紙が入っていました。
大学の授業の一環で,恩師に手紙を書いて,返事を頂きたいということでした。
私は彼については,大変真面目な生徒であったという印象を持っています。
中2の夏期講習会から通ってくれて,いつも黙々と勉強していました。
彼は卒塾時の寄せ書きの中でも,そして今回の手紙の中でも,「入塾当初は英語と数学が苦手でした。」と言っています。
私の中には彼が英語と数学を苦手としていたという記憶は強く残ってはいなくて,ただ黙々と頑張る姿が残っていますが,本人は英語と数学に自信がない状態で入塾し,高校受験を通してそれらの苦手科目を克服したと繰り返しています。
その結果,高校では英語で苦労をすることもなく,苦手意識がなくなった数学にも興味・関心を持てるようになり,今春現役で理系の大学に進学し,「将来は何か人の役に立てる機械の考案・開発をしたい。」と結んでいました。
将来の夢や希望に心を躍らせているようです。
実にさわやかな手紙でした。
そしてこれまで頑張ってきたという自信を感じました。
もちろん彼の持って生まれた才能も素晴らしいのですが,高校受験をきっかけとして続けた努力が何より良かったと思います。
非常に尊いものであったと思います。
彼の人生における大きな財産になることでしょう。
さて,人生における,高校受験の位置づけを今一度考えてみたいと思います。
改めまして当たり前のことですが,公立の小学校から中学校には自動的に進学できるようにできているわけですね。
当たり前のことなのですが,これが当たり前になりすぎていますので,中学3年生になっていきなり「受験よ!」と言われても,なかなかピンとこない受験生がいるということも頷けます。
頭では分かることですが,長年培ってきた感覚はそう簡単に変えることが難しいですね。
また,中学1年生になって「小学校までと違って期末試験という試験があるけん,頑張らないかんとよ。」と言われても,どれくらいの期間にどの程度頑張らないといけないのかイメージしにくいということも容易に想像できます。
高校受験を終えた時に,受験生の9割以上が「受験がなかったらこんなに勉強することはなかった。」と思っていますし,「これまでの人生で最高に頑張ったし,最高の試練だった。」と感じていることでしょう。
終わってみると,「もっと早くから頑張れば良かった。」「もっと一生懸命に取り組めば良かった。」という反省の弁を残す受験生もいます。
しかし,それは終わったから,経験したから初めて分かることであろうと思われます。
実際に受験勉強中には「受験とかなかったらいいのに・・・」「早く受験が終わればいいのに・・・」「受験がない国に生まれたかった・・・」ということを思う受験生も多くいます。
ついつい受け身的にとらえられがちになるのが受験ですね。
どうしても「やらされている」感じがあるのでしょう。
しかし,私は受験を保護者のみなさまに,我が子が「成長するための良い機会」として受け止めて頂きたいと思います。
塾の講師という職業に就かなければ受験というものについてこんなに考えなかったのかも知れません。
「もしも日本に高校受験がなかったら・・・」努力の上に得られる満足感や達成感を高校受験から得ることができません。
部活動などを通しても満足感や達成感を得ることはできますが,勉学から得られるそれらは,趣が異なります。
部活動は好きな部を選べます。
好きなことをしているのですから,取り組みやすいでしょう。
好きな部がなければ取り組まないという選択肢もあります。
しかし,受験勉強は好きでも嫌いでも取り組まなければなりません。
取り組まないという選択肢が,基本的にはありません。
また,受験がない国は日本に比べますと,文明が遅れている可能性が高いです。
『もしも日本に高校受験がなかったら』という題名の映画が上映されたら,きっと面白いと思います。
是非とも見たいものです。
受験を通して,それまで長い間「自分はこの科目は苦手だから,絶対にできるはずがない」と思っている科目でも,「受験があるから取り組まざるを得なくなった」,「受験があるから仕方なくやらされた」ことがきっかけで,最終的にはできるようになったり,苦手ではなくなったりすることによって,自分に自信が持てるようになります。
試練や障害物はやってみる前にはとてつもなく大きなものに感じられますので,出来れば避けて通りたいものですが,やり切ってしまって,経験して過去のことになってしまえば,小さなものに感じられます。
問題は過去のことになった時に,どれだけ自分の身になっているのかということではないでしょうか。
高校受験には私立の専願入試や公立の推薦入試,それから一般入試などいろいろな入試の仕方がありますし,受験生には自己最高の努力を重ねて,合格できるとは思わなかった志望校に合格して何物にも代え難い自信をつけて入学するタイプもいますし,あまり自分を追い込まないそこそこの努力で『行ける範囲』の高校を探して志望校にして合格するタイプもいます。
その他いろいろなタイプの受験生がいますが,大切なことは受験が終わった時にどれだけ成長出来ているのかということです。「これまでできなかった努力ができた。」「今まで知らなかった自分の力を引き出せた。」という経験が出来るか否か。
そこまで挑戦せずに無難に受験を終わらせてしまっては,受験の意味が半減してしまいます。
このようなことを考えますと,受験生はいかにして自分の力を引き出すのかということがテーマとなり,周りの大人達はいかにして受験生に自分の力を引き出させるのかということがテーマとなります。
時には褒め,時には叱り,一緒に喜び,一緒に泣く。
もちろん,喜んで泣くわけです。
「受験校は○○高校やけん,これぐらいの勉強でいいや。」という感覚が一番怖いと思います。
そして「全然勉強してない。」と人ごとのように言える雰囲気を作ってはいけません。
受験生はもちろんそのようなことに注意しなければなりませんし,下級生も中3になっていきなり変身することはできませんので,今からきちんと取り組む気持ちと姿勢を作るべきです。
勉強自体が好きな人はそんなにいませんが,昨日までできなかったことができるようになると,人間誰しも嬉しいものですし,楽しいものでしょう。
その一つ一つの積み重ねが大きな躍進につながります。
困難なことも,後ろ向きではなく前向きに考えて取り組むことによって,良い方向に進めるようになるものです。
高校受験というシステムをうまく利用しましょう。
向上塾
〒811-4143 福岡県宗像市三郎丸1-1-37
電話番号 : 0940-32-9250
※繋がらない場合は携帯へ090-8297-7003
このお話の最初に出てくる卒塾生は,すでに大学を卒業しています。
次に会ったときには,どんな仕事ぶりなのか聞くのが楽しみです。
きっと信頼される開発者になっていることでしょう。